仙台猿員

健全なブログを心がけます

君という花火

7月ですか。

しかしそうですねー、端から行く予定もないし、一緒に行く相手もいないのでアレでしたが、やはり宮城県内に於いても夏の恒例イベントである花火大会は軒並み中止のようで。はい。県内外から10万人以上の人出がある大規模なレベルはもとより、地域住民だけが集まるような町内会主催の小規模なレベルまで、今年は夏の夜空に豪快かつエキサイティングな爆発音が鳴り響くことも、夏の夜空が華麗かつファンタスティックに彩られることもないという。花火大会ともすっかり無縁になってしまったノースケジュールでノーパートナーでさらにノーフューチャーな36歳独身とはいえど、それはそれで寂しいものです。静かな夏です。

県内の花火大会では、仙台七夕まつりの前夜祭である仙台七夕花火祭が最も有名でしょうか。

昨年のデータでは打ち上げ数1万6000発、そして50万人を超える人出があったとのこと。ちなみに仙台市の人口の約半分ですからね。50万人。で、それが当日の夜に中心市街地に一気に集まるわけだからもうヤバいなんてもんじゃない。密集、密閉、密接の三拍子が揃う阿鼻叫喚の地獄絵図。ソーシャルディスタンスもクソもない。言うなれば、1日に1ヶ月分の雨量がまとまって降るようなもの。僕も過去数回ほど行きましたが、帰り道で両親が口論を始めたり、偶々参加してきた友人の友人に無視されつづけたり、あと詳しくは書けませんがとにかく散々な目に遭ったりと、本当に碌な思い出がないですね。だから吉岡里帆似の女子大生に誘われたり、結婚して妻子から行きたいとかせがまれない限りは、この先自らの意志で行くことはまずないでしょう。それぐらいデンジャラス。相性が悪いともいう。

あとは泉区民ふるさとまつり、石巻川開き祭り花火大会、松島灯籠流し花火大会、なとり夏祭り辺りも有名かと。

このうち石巻には2009年に一度だけ行きました。午前中から友人MSYの車で山形に向かい、昼過ぎに仙台に戻ってきて当時よくつるんでいた中学の同級生NTMちゃんと合流し、幾多の渋滞に巻き込まれながら18時前にようやく石巻に到着して、と。今思えばかなりタフな日程でした。花火の打ち上げ終了後もそう、臨時駐車場から出るのに2時間近くかかってしまい、結局26時ぐらいの帰宅になりましたからねー。NTMちゃんは深夜特有のテンションで頭がおかしくなってしまい、普段は下ネタNGにも関わらず、積極的にその手の話題を受け付けるなどだいぶアレでした。そして僕もまた、mixiを通じて知り合った女子大生との初対面を数日後に控えていたりと、この頃はなんかすっげーリアルが充実していました。泣きたくなってきます。

ああ、そういえば塩釜もありましたか。塩竃みなと祭前夜祭花火大会。

仙台七夕花火祭には及びませんが、打ち上げ数8000発で塩釜市の人口の2倍に相当する10万人超が集まるビッグイベント。そして上で列挙した花火大会がいずれも8月開催の中、塩釜だけが唯一の7月開催。だから本来であれば、来週か再来週辺りに打ち上がっていたわけですよ。ファイヤーワークス。だけど今年は…。

塩釜にもちょうど15年前、2005年に一度だけ行きましたか。

リーちゃん21歳、限りなくニートに近いフリーターライフを満喫していた頃です。同行者は石巻でも一緒だった友人MSY、当ブログではわりとお馴染みの友人SZK、それから――。

きっかけはMSYからのメールでしたね。
「この日空いてるなら塩釜の花火に行かない?俺が車出すよ!」って。

まあ、限りなくニートに近いフリーターだった僕は余裕で空いていました。さらに多方面(主にバイトとパチスロ)で何かと忙しかった当時大学生のSZKも、最初からそれを予見していたかのように当日だけ奇跡的にスケジュールが空いていた。そうしたらもう心は躍るしアンコールもわかす。アッパーなテンションのシチュエーション。男3人、夜通しで夏の思い出を詰め込むつもりで塩釜に向かいました。

花火大会に行くと事前に決まっていながら、ござやビニールシートといった気の利いた観覧グッズを誰一人用意してこなかった為、8000発の花火は終始立ち見。もっとも気の利いた観覧グッズをきちんと用意していたとしても、打ち上げ開始の30分前に到着した時点でほぼ無理ゲーでしたね。それぐらい沢山の観衆で大混雑していましたし、その中でむしろ男3人が横並びできるスペースを確保できただけでも十分だったといえます。

肝心の花火の内容ですが、正直ほとんど覚えていません。

そりゃあ15年も経てば記憶も薄れて当たり前ですが、そもそもが花火自体をあまり見ていないという。

MSYは「高校のクラスメイト(♂)が来てるっぽい…」と花火そっちのけで間断なくメールしているし、SZKも花火が打ち上がる度に携帯電話のカメラで写真を撮っては彼女にしつこくメールを送り続けている有様。上空よりも画面を眺めている時間の方が多かったですね。で、僕はそんな2人に呆れつつも、平時よりも大幅にガードが緩んでいる若い女性客達の胸元や股間を注視していて、はい。こいつら何しに来たんだよって話ですが、花火大会ってぶっちゃけ花火を見るよりも会場の雰囲気を味わいにきているようなもの、ひいては人生の充実感や多幸感をかみしめる為のアレだと思うのでそうですね。だから帰り道で両親が口論を始めたり、偶々参加してきた友人の友人に無視されつづけたり、詳しく書けないほどとにかく散々な目に遭って「(花火なんかもうどうでもいいから家に帰りたい…^^;)」なんてことにさえならなければアレです、ええ。

花火の打ち上げ終了後は3人で営業中の屋台を巡っていたのですが、その最中にまずMSYがいなくなりました。「近くにいるみたいだから、ちょっと話してくるね!」と告げて。先述した高校のクラスメイト(♂)ですね。そうしたらSZKも前方に誰か知り合いを見つけたらしく、「リーモここで待ってろ!」と言い残して急にいなくなりました。

なんということでしょう。まるで15年後の未来を暗示していたかのように、1人だけポツンと取り残されてしまったリーちゃん。「(……………^^;)」。大澤誉志幸ばりにそして僕は途方に暮れつつ、その場で1人虚しくかき氷(ブルーハワイ)を食べていると、SZKがなんと女の子を2人連れて戻ってきました。

SZK「おー、リーモすまんな。でも喜べ、女の子連れてきたぞ!」

リーモ「いや、どちらさんだよ^^;」

SZK「こっち(左)の子が高校の同級生。で、こっち(右)の子が…こっち(左)と地元一緒?なんだよね、うん」

リーモ「そうなんだ(右かわいいなー^^)」

MSY「あーよかったここにいたんだね……って誰!?SZKの知り合い!?」

SZK「やっとMSYも戻ってきたか。よし、じゃあ塩釜を後にして5人でコロナワールド行くぞ!」

MSY「いや、マジで説明ないの!?」

リーモ「まあ、そんなわけみたいだからとりあえず車に戻ろうぜ(右かわいい^^)」

女の子は左がハルナ、右がハルカといいました。両名とも名前に「春」が入っているスプリングコンビ。僕らと同学年、同年齢。地元は仙台市東部。仙石線の沿線に自宅があり、この日は電車に乗って塩釜の花火大会にやってきたとのこと。

しかしこれ、もし僕かSZKが車を出していたらありえなかった展開だったと述懐します。今でこそSUVやミニバンを乗りこなしている僕とSZKですが、なにせ当時はバリバリの軽自動車でしたからね。いや、軽自動車自体に問題はありません。ただ軽自動車には4人しか乗車できないから、普通車に乗っていたMSYが車を出してくれて助かったという話。また、だからこそSZKも「(MSYの車なら5人でも大丈夫だから)一緒に遊ばない?」的なノリでスプリングコンビを引っ張ってきたのだと思います。

「おいリーモ、オマエこれチャンスだぞ。2人とも彼氏いないらしいからな?」

「マジか…それは熱いね^^」

2020年の現在でも独身なのは僕だけですが、この当時も男3人の中で彼女がいないのは僕だけでした。MSYには仙台と横浜で遠距離恋愛中の彼女がいて、SZKにも合コンで知り合った彼女(後にそのまま結婚)がいたので。ええ。

左のハルナちゃんは大学生。

身長は推定170cm、胸は推定Bカップ。すらっとしたモデル体型。物静かでクールな雰囲気。髪型は黒のロングヘアー。前髪ぱっつん。姫カット。芸能人だと目が細いかしゆか(Perfume)でしょうか。だから春は春でも、淡き光立つ俄雨いとし面影の沈丁花って感じでした。溢るる涙の蕾からひとつひとつ香り始める感じとも。ところが意外にも大のお笑い好きで、リチャードホール爆笑オンエアバトルは毎週欠かさずに見ているそう。そのせいか「リーモくんって人力舎辺りにいそうだねw」なんて言われました。多分、ハルナちゃん的には好印象だったのかもしれません。当人が女性にしては身長が高いこともあり、「背が高い人が好き」とも言っていましたし。ちなみに僕は180cm台後半、MSYとSZKは170cm台後半。

当日はサンドベージュのシャツワンピースの下に色落ちしたデニムをくるぶしまでロールアップして穿き、コンバースのオールスター黒白。肩にはオフホワイトのキャンバス地のトートバッグ。

右のハルカちゃんは介護職。

身長は推定160cm、胸は推定Cカップ。中肉中背。見るからに活発そうなタイプ。髪型は茶のショートヘアー。ウルフ気味。芸能人だと田中美保似。だから同じ春でも、こういう夢ならもう一度逢いたいって感じでした。けぶる木漏れ日を浴びてふと気付く感じとも。そして見た目通り、ロック大好きでライブも大好き。ついでにヴィレバンも大好きでサブカル方面への理解もある逸材。ただし、好きなバンドがエルレアジカンだったのはアレでしたね。何といっても、当時の僕は排他的で差別的で視野狭窄な洋楽至上主義者。だから、非常に幻滅しました。著名なシングル曲だけは知っていたアジカンはまだしも、エルレに関してはもう蛇蝎の如く嫌っていたこともあり。うん。とはいえ、そこで巧妙に話を合わせて歓心を買うことは造作なかったです。「リーモはマジですげー音楽詳しいよ!」というフレンド達からのアシストもあり。

当日は細いピッチの白×青のボーダーTシャツ、黒のスキニージーンズ、ビルケンのラムゼス。いや、アリゾナだったか。ウエストバッグはポーター。

まあ、僕としては断然ハルカちゃんでしたね。顔、髪型、声、体型、服装のどれをとっても自分好み。音楽の趣味も合っていればモアベターでしたが…。ただ、実際に付き合ったとしてうまくいきそうなのはハルナちゃんだと思いました。会話をしてみてのフィーリング的にも。当時流行していたダニエル・パウターにハマって洋楽を聴くようになったともいうし、それに僕もリチャードホールは毎週欠かさず見ていましたから。

そうして1時間ぐらいで塩釜と多賀城を抜けて仙台に戻ってきた僕たちは、コロナワールドではなく国道沿いのファミレスに入店。

塩釜を出発した辺りと比べると、この頃には全員がすっかり打ち解けていました。そのせいか会話も大いに弾み、当初は1時間ほどで店を出る予定がうっかり2時間以上滞在するなど、ええ。ここでのハイライトはメガネが似合うか似合わないかの話になり、僕からメガネを借りようとしたハルカちゃんが手を滑らせてメガネを落としそうになったシーンですね。それが床やテーブルならまだしも、僕が食後のデザートに注文して今しがた運ばれてきたばかりのパフェの容器。5000円で購入した安物のメガネだったから特段問題はありませんでしたが、危うくクリームにまみれるところでしたね。しかしいざクリームにまみれたとしても、それはそれで美味しいネタだったかもしれませんけど。

コロナワールドでは男3人がハマっていたダーツで遊ぶことにしたのですが、先にスーパー銭湯を利用することにしました。みんな汗でべとべとだったので。ひとまず。

施設内ではそうですねー、スプリングコンビと一緒に女湯に向かおうとするボケを連続でかましたSZKとMSYに鋭いツッコミを入れる僕を見て、ハルナちゃんが「ネプチューンのコントみたいw」と感心していました。確かに、僕とMSYとSZKはネプチューン感ありますね。MSYが原田泰造とするならば、SZKはホリケン、そして僕は名倉でしょうか。立ち位置としては。まあ、ボキャブラ世代ですし。

そして入浴中はスプリングコンビのどちらを狙っているか、またどちらを攻略すべきかの話題で終始。ルックス重視ならハルカちゃん、フィーリング重視ならハルナちゃん――。ともあれ、とにかくどちらでもいいから連絡先だけは交換しろ、俺らも最大限に協力すると背中を押されました。持つべきものは友ですね。

汗を洗い落としてさっぱりしたところで、ようやくダーツに突入。

この時点で午前2時を回っていたこともあり、ダーツコーナーには僕たちしか客がいませんでした。とりあえずいきなりガチの対戦ではなく、ダーツ未体験というスプリングコンビに手取り足取り教えることから始めました。最初は「すっぴんが恥ずかしくて集中できない~」なんて言っていた2人も、教え方がよかったのか短時間で一気に上達。特にカットスロートクリケットというゲームでは、中盤になってようやくルールを理解したハルナちゃんの猛攻、さらにMSYとSZKの姑息な策略により、リーちゃん大量点差で負けてマジ切れ。でも、それ見て笑って楽しいねって、ハルカちゃんの優しい笑顔にまた癒やされて…。

ダーツを終えた頃には、外はもう明るくなっていました。時刻は5時30分。しかし塩釜で出会ってからここまで8時間、途中スーパー銭湯での入浴タイムはあったものの、喋って、食べて、投げて、叫んで、笑って、ほとんどぶっ通しのオールナイトで遊びつづけてきた僕たち。さすがに疲れたので今夜はここで解散かと思いきや、MSYがこの期に及んでとんでもない提案をぶち上げたのです。

「どうせだから最後に深沼で花火しない?」

まあ、翌日というかすでに当日もノースケジュールだった僕はイエスでした。そもそもがMSYに送ってもらわないと帰れないこともあり、ほとんど強制的に。それはSZKに関しても同じく。そうしてスプリングコンビに決定権が委ねられたわけですが、そこで2人が出したアンサーはまさかのイエス。その提案をむしろ待っていたとばかりに超ノリノリでした。ヤバい。ちなみに深沼はそうですね、仙台市内で唯一の海水浴場です。

深沼に到着した頃にはもう、めざましどようびが始まっていました。

防波堤から砂浜に降り立ち、途中のコンビニで買い込んできた花火セットを開け、各自思い思いに好きな花火を手に取ると、あとはもう夢中でフィナーレを飾りました。3個同時に点火したねずみ花火から必死で逃げ回ったり、SZKが十八番の花火ジャグリングを披露したり、ハルカちゃんからのリクエストでガガガSPの線香花火を歌わされたり、今度はハルナちゃんからのリクエストでaikoの花火を歌わされたり、さらのその歌唱シーンをMSYがちゃっかり動画で撮影していたり…。

「ねえ、またこの5人で花火…そうだ、七夕の花火に行こうよ!すっごい花火見えるとっておきのスポット知ってるからさ!!」

すべての花火がなくなり後片付けしている最中、思いがけずハルカちゃんがこんなことを言い出したのです。どこかと訊いても「当日まで秘密!」と頑なに教えてはくれませんでしたが、とりあえず仙台市内某の丘から綺麗に花火が見える場所があり、今度は最初から5人で行かないかと。

「(打ち上げ花火…浜から見て、次は丘から見る?だね^^)」

スプリングコンビから連絡先の交換を求められたので、僕が男性陣の窓口役として交換することになりました。これはSZKが「リーモ交換しておいてー」と差し向けてくれたお陰ですね。MSYもわざとらしく両手に荷物を持つことで、僕への素晴らしいアシスト。やはり持つべきものは友よ。

「よーし、それじゃあ次は8月5日だね!」

僕としてはそうですね、彼女達との偶然の出会いがこの夜限り、この場限りで終わらなかったことにひとまず安堵。そして今年の夏はまだまだ長くなりそう、むしろこのまま終わらないかもしれない―。なんとなく、そんな気がしていたのです。ここまで全部作り話だけど。


ということで、15年前のメモリアルはフィクションでした。

いや、15年前にMSYとSZKと塩釜の花火大会に行ったのは本当です。僕がエルレガーデンを嫌っているのも本当。ただし、あとは全部作り話。ガチのマジのフィクション。架空の人物、架空の出来事。大体ハルナとハルカってハリセンボンじゃねーか。はい。