仙台猿員

健全なブログを心がけます

さよなら絶叫先生

ここ1週間ぐらいPassCodeの新作を聴き通していますが、これがなかなか傑作でしてねー。

前作のVIRTUALと比較しますと、今回のZENITHはだいぶシリアスですね。たとえばそう、その前作でもとびきりポップだった"ドリームメーカー"や"Selfish Girl"のようなアイドル然とした楽曲は皆無に等しく、全体を通してとにかくハードでひたすらアグレッシブに攻めています。硬派ともいうか。

まあ、確かにVIRTUALに関しては、先程挙げた2曲の他にも"NINJA BOMBER"や"from here"等々、ダンサブルからコミカルからエモーショナルまで、全体的に楽曲のバラエティーや意外性に富んだ作品でした。しかしながら、楽曲は申し分がないのにアルバム自体の構成が今一つだと感じていまして、そういった意味ではZENITHは目新しさこそ少ないものの、最初から最後までスタンスが一貫しており、トータルで安定感のある仕上がりとなっていますね。

あとはグループ最大の武器である今田夢菜ちゃんのシャウトも、さらに勢いとタフさを増して楽曲の完成度を高めてくれています。

前述した構成が今一つ云々というのは、この夢菜ちゃんのシャウトにあります。
昨年末に幾つかのMVを見て、「こんな小動物的な子がシャウトしてんのかよ!すげえ!これは買わなきゃ^^」とVIRTUALを購入したのですが…。まあ、正確にはヤフオクで落札ですね。16年リリースの作品にも関わらず、どうしてか廃盤?扱いになっており、正規のルートでの入手は困難と判断したので。

それで無事に手元に届き、喜び勇んでいざ再生してみましたらそうですねー、全12曲中シャウト有りが5曲、しかも見事に最初の1~5曲目だけで、6曲目以降はシャウト一切なしというバランスの悪さでして。はい。6曲目はMVを見たことで事前に知り得ていたミディアムテンポのしっとり系ナンバー"from here"だったのでアレでしたが、そこから7、8、9、10、11、12とシャウトを期待して待ち構えていたにも関わらず、完全に肩透かしを喰らったわけです。ゆえにアルバム自体の構成が今一つ、と言っているのです。ええ。


でも、ZENITHは違いましたよ。
ほぼ全曲に、進化した夢菜ちゃんの激情シャウトが繰り出されます。ギャワギャワ叫んでいます。美麗なクリーンパートとの対比はもはや芸術の域ですね。

特に好きな楽曲は7曲目の"Same to you"ですかね。MVも出ていますのでどうぞ。


次々とめまぐるしく場面が入れ替わり、かなり窮屈に詰め込まれたサウンドだというのに、なんだか絶妙にまとまっているのが面白いです。全12曲の中でもひときわエモーショナルで叙情性が強く、転調過多なりにドラマティックなパートも目白押しで一番耳に残っていますね…。1:50からの重厚なブレイクダウンかーらーのー夢菜ちゃんの怒濤のシャウト、そこからさらに2:33~ラストまでの展開は絶頂射精ものですよ。

他には5曲目の"Scarlet night"もいいです。1曲目から4曲目まで最高に良い意味で耳に優しくなかった分、そこまで起伏の激しくないこの曲が印象的でして。そして、3:47辺りから急にメロコア調になるのがこう、その世代の人間の琴線に触れてやまないのです。

8曲目の"カタルシス"もそうですね、英語曲名が並ぶ中で唯一の日本語曲名であり、胸に突き刺さる切ないメロディーと儚げなボーカルが涙を誘います。だから「さすがにこの曲はシャウトないだろ^^」と気を抜いていたら、唐突に心揺さぶるようなシャウトをぶち込まれたので。はい。そんな夢菜ちゃんのシャウトが存分に楽しめるのは6曲目の"TRACE"でしょうか。若干マキシマムザホルモンのダイスケはんっぽく聞こえますが。


まあ、全曲語り出しそうな勢いなので、一旦ここでストップしておきます。
とりあえずPassCodeの何が僕を魅了してやまないのかといいますと、アイドルという枠組みでスクリーモ/メタルコアという音楽性ですね。

これが一昔前のファッキンエモヘアージャップ野郎どもだったら確実に聴いていませんし、そもそも存在自体を知ることがなかったでしょう。まあ、ジャップではなくメリケンでしたが散々聴いてきましたからねー。やたら狭い室内で前髪振り乱しながらマイクをぶん回してブレイクダウン時に全員でヘドバンするようなMVも散々見てきました。

そう、特に2007年から2009年にかけては、自分の中でのスクリーモ最盛期でした。

控えめのエモヘアーにしてバンドTを着用し、リアルでもネットでも所構えつつ絶叫していたものです。このリーモというHNも勿論スクリーモが由来で、前身のブログから10年近く使い続けています。そのブログ名も"何たらかんたらスクリーモ云々"というアレでして、僕の12年に及ぶブログキャリアの中で最長期間を誇ったブログでしたが…。あとはCDもスクリーモ系を中心に年間100枚以上の購入を3年連続で達成するなど、とにかく朝から晩までスクリーモ漬けの毎日でした。同時進行でメタルコアやデスコアもよく聴いていました。

大体にして、7年前に僕を捨てた女子大生もそう、当初は洋楽のエモ/スクリーモを教えてほしいからとmixi内でメッセージを送ってきたのです。「仙台で洋楽エモやスクリーモに詳しい人を探していました><」とのことでしたが、実際は邦楽エモに詳しい彼氏に振られて何を聴けばいいかわらなくなったから安易に洋楽に手を出そうとしたのが真相です。マジで死ねよクソ中古肉便器。できるだけ苦しんで死ね。どうせなら自殺しろ。自殺。死ね。

しかし、2010年頃から徐々にスクリーモメタルコア、デスコアとは疎遠になっていきました。

こと2012年以降は、折柄のエモリバイバルブームによるエモ/インディーロックへの回帰、シーンの活性化と新興レーベルの躍進からなるポップパンクやメロディックハードコアへの傾倒、さらにはポストロックやマスロックへの目覚めなどもあり、かつての情熱が嘘のように興味を失い、現行のシーンそのものに目を向けることがなくなりました。あれだけ沢山所持していたCDも一部を残して相当数処分しました。正確な枚数は把握していないのですが、150~200枚近くは捌いたと思います。ヤフオクで。


そして、極めつけがアイドルですよ。アイドル。

HMVオンラインって定期的に輸入盤のまとめ買いセールやるじゃないですか。4枚40%オフとか。それで昨年にBABYMETALの1stアルバム、輸入盤がお求めやすい価格になっていたので合計金額の調整がてら試しに購入してみたのです。期待値はそんなに高くなかったのですが、1回聴いてみただけでダメでした。侮っていた節もあったからこそ、完全にしてやられました。ハマりました。ちなみに一番好きな曲は"Catch Me If You Can"です。 

まあ、ベビメタはまた特殊といえば特殊ですが、そうしてアイドルの世界に足を踏み入れ、Youtubeで様々なアイドルのMVを見るようになりました。で、その中から気に入ったグループのCDを購入する、それが僕(33歳独身彼女なし)のノーミュージックノーライフなうです。はい。

PassCodeも当初、スクリーモということで敬遠していた感はありましたが、まさかあんな小動物的な子が懸命にシャウトしているとは知らなくて、それで一気に惹かれていったアレがあります。また、元々ピコピコ鳴ってるスクリーモが好きだったこともあり、サウンド自体は至極受け入れやすくあるアレだったといえます。

だからこそ、あの頃に僕と同じようにスクリーモに心血を注いでいた方々にこそ推奨したい、そんなアイドルを紹介したいと思います。

ゆくえしれずつれづれ"ニーチェとの戯曲"


だつりょく系げきじょう系アイドルをコンセプトとする4人組。個人的にアルバムでも屈指のキラーチューンがこの曲。出だしからもろにスクリーモ。それも結構一昔前のThursday、Thrice、Hawthorne Hights、Senses FailFuneral For A Friend辺りが流行っていた時代の懐かしいスクリーモ。そこに脱力感とメンヘラ感全開のアンニュイな女性ボーカルとシャウトが乗っかるという構図、これは気に入らないわけがありません。

1曲目の"ポストカタストロフ"もそんなオールドファン歓喜スクリーモサウンド、8曲目の"六落叫"はアナログな電子音がEyes Set To Killを彷彿とさせてくれます。全体的にダークで陰鬱とした雰囲気ですが、その脱力感たるが絶妙なポップ感を演出しています。サウンドは基本ポストハードコア寄りでインディーロックやパンク、ゴシック的な要素もあります。アルバムも2000円とお手頃なのでいかがでしょう。

uijin"meltdown"


neo tokyoをコンセプトに掲げる4人組アイドルグループ。端的にアイドル+ラウドロックですね。そこまでゴリゴリではありませんが、程よくスクリーモメタルコア、ポップパンク、イージーコア等の要素を取り入れています。たとえるならそうですねー、PassCodeからシャウトを抜いてアイドル成分を増したというか、バンドじゃないもん!辺りをラウドロック寄りのサウンドにしたとでもいうか。

それでこの"meltdown"なんですが、初めてMVを見て「良い意味でも悪い意味でもこのミクスチャー感はヤバい^^」と一発で気に入り、後々のアルバム購入に繋がりました。あとは6曲目の"overdrive"が好きです。爽快感溢れるアップテンポなメロディーに前向きなメッセージを乗せたアイドル的な王道ソング。これがまた心に響くんですよねえ。まだ歌唱が不安定で荒削りな部分も目立ちますが、全体のポテンシャルは結構高いと思います。とりあえず次回作にも期待。

ヤなことそっとミュート"Lily"


これまた4人組アイドルグループ。通称ヤナミュー。この"Lily"はそうですねー、アルバムを購入するかどうか迷っていた僕に購入を決断させた曲です。サビの「思い出が思い入れに~」からが最高にエモーショナルですし、恋しさと切なさと心強さが同居したノスタルジックなメロディーも泣かせてくれます。

主観ではありますが、サウンドは10~15年前ぐらいのエモ、インディーロック、オルタナティブロック、メロディックパンク、ポストハードコアからの影響を感じます。ゆえに派手さは皆無のサウンドですが、この辺のサウンドを通過してきた身としては非常に懐かしく、またアイドルというフィルターを通しての現代的な云々。全曲素晴らしいですが、2曲目の"カナデルハ、"6曲目の"Just Breathe"、9曲目の"see inside"、あと"13曲目の"No Known"はその真骨頂。染み渡ってきます。7曲目の"orange"はガチ名曲。久々にゾクッとしました。


というわけで、元スクリーマーが推奨するアイドルサウンドでした。

いやー、まさか10年後にアイドルを聴いているとは夢にも思いませんでしたね。当時は。むしろ10年後にアイドルとスクリーモサウンドが融合され、しかも想像していたよりも親和性が高くて、さらにそれなりにシーンが活性すること自体が、はい。

アイドルシーンもここ1年ぐらい追いかけていますが、グループの結成や解散、メンバーの加入や脱退、ファン、プロデューサー、運営、メディア、販売店etcと様々な事情や思惑が透けて見えたりして、面白いといってはちょっと語弊を招くかもしれませんが、毎日なにかしらのニュースが飛び込んできて目が離せない昨今です。その為、同様にバンドの結成や解散、メンバーの加入や脱退が異常に激しかった当時のスクリーモシーンと重なる部分もあります…。

ただ、そうした中で今も生き残っているバンドというのはやはりすごくてですね、今も新作がリリースされる度に購入しているDance Gavin Danceとか。ええ。格が違うなー、と。

で、群雄割拠のアイドル戦国時代もそれは当然でして、日々新しいアイドルグループが登場する中で、これからも生き残り続けるアイドルグループもあれば、無情にも消えてしまうアイドルグループもあり…。とりあえず、いつまで聴き続けるかなんてわかりませんけれど、今後も楽しめそうな余地がまだ十分にあるのでアレですね。今のところはCY8ERのアルバム待ちで。

でもそうですねー、あの時代の熱量を維持しつつ、今でもスクリーモを聴いているという方はまだおりますでしょうか。いや、もういないでしょう。

あれだけストイックに聴きまくっていた僕ですら終焉を迎えたのですから、きっと同じようにアレしたことかと存じます。だから、そういったかつてのスクリーマー達が今、どんな音楽に興味を向けているのは結構気になるところだったりするのですが…。そしてまた、僕は自室に置いてある10年物のCDコンポにPassCodeのZENITHをセットして、在りし日の光景に思いを馳せながらブログを更新するのです。